フリーランスや個人事業主で、前回の所得税の青色申告申請書を提出した方へのお話です。
青色事業をめでたく始めた方で、配偶者にお給料を渡し、それを経費にすると考えている方もいらっしゃるでしょう。これ、届出を出しておかないと経費として認めてはもらえません。今回はそのお話をしたいと思います。
青色事業専従者給与に関する届出手続
「自分で稼いだお金を、奥さんに渡すのを経費にしたら節税になるでしょ」
と思っている方は多くいて、それはあながち間違いでは無いのですが、前もって税務署に「青色事業専従者給与に関する届出」を出しておかないとその年の経費として認めてもらえないのです。そして届出を出した専従者給与は毎月必ず支払う必要があります。
「お金が入った時に払えるだけ払う」
と言うのは基本認められません。
専従者給与として認められる金額は?
必要経費と認められる青色事業専従者給与額は、支給した給与の金額が
- 事業の労務に従事した期間と程度
- 他に雇う使用人の給与との状況
- 事業の種類・規模・収益
からみて相当とみとめられるものになります。
提出前に考えておかないといけない事
- 毎月どのくらい収入があり、経費がかかるか
- 収入の入る時期
- 利益はどのくらい出るのか
などは最低でも考えておかなければいけません。
余談ですが、最近では社会保険事務所から
「収入が一定以上あるなら健康保険と厚生年金に加入を」
と言われてしまいますので、専従者給与の金額設定は気をつけないといけません。
*社会保険料は給与額によって金額が変わります。金額を多く設定すると扶養に入れないばかりか、健康保険・厚生年金を支払わなくてはいけなくなります。
(協会けんぽ「被保険者の方の健康保険料額(令和2年3月~)」より)
専従者給与に関する届出を出すタイミング
では、その届出を出すタイミングなのですが、専従者給与額を必要経費に算入しようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後に開業した人や新たに専従者がいることとなった人は、その開業の日や専従者がいることとなった日から2ケ月以内)に提出しないと、その年の経費とは認めてもらえません。
書類はこちらかたダウンロード出来ます。
国税庁HP→青色事業専従者給与に関する届出書。
忘れてはいけない、専従者給与を出す時に一緒に出すべき書類
青色事業専従者給与に関する届出書を出す場合に一緒に出しておかないと、大変な目に合う書類があります。それは「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請」です。
地味に長い話になるので、これは次回に説明しますが用紙のダウンロードは下記にリンク貼っておきます。
国税庁→「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請」
専従者になれるのは誰?
専従者と言っても「奥さんだけ?」と思われがちですが以下のようになっています。
- 青色申告者と生計を一にする配偶者
- 青色申告者の親族
- その年の12月31日現在15歳
専従者って奥さんだけでは無いんだね
親や15歳以上の子供でも大丈夫なんだ!
事業を始めた初年度は、この届出を提出せず事業の損益や動向を見て、確定申告時に青色事業専従者給与を提出するのも良いかもしれませんね。
利益が出る・事業を手伝ってもらっているなら、個人事業主も専従者に給与を出す事ができます。専従者は配偶者だけで無く、親族でも大丈夫なので是非、事業の中で検討してみて下さい。
*参考・引用・リンク先は「国税庁HP https://www.nta.go.jpと「協会けんぽHP https://www.kyoukaikenpo.or.jp 」です。ありがとうございました。
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